ガッキーを目指すアラフォーおかんのブログ@3人目妊娠中

夫が好きすぎるアラフォー主婦。現在3人目妊娠中です。

アラフォー主婦が3日間ファスティングに挑戦してみた

週に1〜2度、めかぶとキムチと納豆を取り入れる生活を続けていたが、体重が1キロ減ったくらいで、それ以上何も結果が出なかったため、少し強引なやり方で、自分の体をリセットする必要があるのではないかと思い、ファスティングに挑戦してみることにした。

 

ファスティングといっても、かなりライトなもので、ネットを参考にできそうな部分だけ取り組むことにした。夫は私が食事を抜くのを、とても嫌がるため、夫が仕事で不在の2日間を狙い、極力夫の目につかないように、ファスティングをやることにした。私のなんちゃってファスティングは、以下の通り。

 

  • ミネラルウォーターを1日2リットル飲む
  • 朝食は、フルーツミックスジュース
  • コンブチャを1日30ml
  • アルコール・カフェイン・炭酸は禁止
  •  夕食は、無印良品のスムージーか味噌汁の汁のみ
  • これを3日間続ける

 

私のファスティング方法はかなり適当なので、わざわざ置き換え用の酵素ドリンクなどは頼まない。フルーツミックスジュースは、パイナップル・いちご・ブルーベリー・牛乳・アロエヨーグルトで作る。これは子供たちも頻繁に飲んでいるもので、甘すぎなくて美味しい。本来なら、繊維質を取り除くために、絞らないといけないらしいが、面倒なのでそんなことまではしない。

↓自家製フルーツミックスジュース(本当はもっと飲みたい)

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↓何も作る気が起きない時に助けられた無印のスムージー

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↓侘しくすすった味噌汁の汁

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コンブチャは、ドラッグストアで2000円程度で手に入れた。以前から気になっていたので、この機会に試すチャンスが来た!と、思い切って買ってみた。名前から受けるイメージとは全然異なり、少し酸味があり、とろりとしていて美味しい。

一番苦痛だったのが、水を飲むことだ。私は普段、あまり水を飲まない。水が苦手なので、普段はキンキンに冷やした炭酸水を飲むことにしているのだが、炭酸水は胃への刺激になるため、避けた方が良いらしい。どうせ飲むならと、Contrexという超鉱水を買って飲むことにしたが、これが何をどうしても、かなりまずい。口に入れた瞬間、ぬるっとしていて、後味が悪い。しかし、わざわざお金を出して買った水を、易々と捨てられるわけもなく、氷を入れたり、コンブチャを希釈するのに使うなどして、なんとか1本飲み切った。Contrexはこれ以上飲めないと判断し、後半はevianを飲んだ。

 

  

さて、ファスティングは、誘惑との戦いである。

私は専業主婦なので、常に食事作りに追われている。食事を作れば、もちろん揚げたての唐揚げやら炊きたてのご飯やら、作りたてのポテトサラダやらを目にするわけである。そんなの、一口食べない方が、動物学的におかしい。夕食を作る最中、シャモジにべっとりついたポテトサラダを舐めたくて舐めたくて身悶えした。

味見をしなければならないというのも曲者だ。ミートソースやグラタンなどは、味見をしないとかなり危険な部類のメニューである。子供たちに味見をさせる手もあるが、まだ2人とも小さいので、全く当てにならない。一口程度の味見など、カロリー的にはなんの問題もないのであろうが、美味しさを舌で味わってしまうと、途端にファスティングの決意が揺らいでしまうので、要注意だ。そこからなし崩しに、もう一口、もう一口と食べて、いつの間にかお鍋が空っぽなんてことになったら、目も当てられない。

極め付けは、子供の残した食べ物の残飯処理だ。幼児2人は容赦無く食べ物を残す。ファスティング期間中、お皿に唐揚げと餃子が残されているのを見た時は、かなりきつかった。「こんなに美味しい食べ物、なんで残すねん!」と悲鳴に近い声で、子供たちに怒ってしまった。残ったおかずは、夫に食べてもらうこともできるのだが、あいにく仕事で不在だったため、泣く泣く捨てた。

その他にも、子供たちにおやつを準備したり、夫にお弁当を作る度に、「自分は食べられないのに、なんで人の食事を世話してるんやろ・・・」と、何度も虚しい気持ちになった。3日目は、久しぶりに夫が帰ってきて、夕食を作ったのだが、案の定「なんでトマちゃんは食べないの」仏頂面だったので、ファスティングに挑戦してて、今3日目だから。明日には一緒に食べれるようにするから」と説明して、不機嫌な夫をなだめるのに神経を使った。

 

 

私の3日間の経過を、簡単に説明しようと思う。

【1日目】

まだそこまで苦痛を感じなかった。空腹が心地よいとすら思えていて、なんなら穏やかに初日を過ごせたので、「ファスティングなんか楽勝やん」と、楽観していた。

【2日目】

食べ物への渇望がすごかった。とにかく、至るところに食べるものがあるので、うっかり食べないように気をつけた。体の変化としては、お通じがよくなりすぎて、迂闊にオナラができないほど、水のような便がひたすら出た。子供たちのお迎えの際も、公園遊びの際も、とにかく肛門にテンションをかけておかないと大惨事になるところだった。そして、食事を作るのが億劫で、何度も「今日はうどんでええか・・・」と諦めたくなったが、それでも自分を奮い立たせて、子供の好物を作り、それを見事に食べ残された時の苛立ちったら、半端なかった。

【3日目】

水便は止まったが、体が重く、もう起き上がれないのではないかと思った。これは、体にケトンが蓄積しているせいであると思われるが、いわゆるファスティング好転反応とのことである。しかし、それにしても、本当にしんどい。立ち上がれば目眩がし、立って歩くということがものすごく苦痛で、すぐに椅子に座り込んでしまう。人間はエネルギーがないと、ここまで動けなくなるのかと、ゼイゼイと肩で息をしながら思った。今日1日を乗り切れば、食べ物にありつける・・・。目の前のやるべきことに、ひたすた「無」の感情で取り組んだ。エネルギーがゼロの状態で暴君(息子)2人の相手をすることは、装備ゼロでデスピサロに臨むようなものだが、ここまできたらやるしかないので、床に這いつくばりながら相手をした。しかし、食事を作っていても、家族が食事を食べるのを見ても、不思議と前日ほど辛くはなかった。

 

 【ファスティング終了翌日】

ようやく3日間のファスティングが終わった。エネルギー不足で息切れしながら、息子たちを幼稚園に送り出した後、「スッキリ大根」を作って、一人でゆっくり食べてみた。 

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まずは、大根を茹でた昆布のだし汁をコップに一杯。これは本当に茹で汁なのか、と疑うほど、美味しかった。しみじみと味わい深く、じんわりと空っぽの胃に染み渡る。そして、たたき梅を一口ぺろり。びっくりするほど美味しくて、脳がビリビリと震えた。この3日間ほとんど口にしなかった塩味が、舌をキリリと刺激して、目が覚める。ゆっくりとたたき梅をだし汁に溶かしてグッと飲み干すと、一気に体にエネルギーが満ちていくのが分かる。圧力鍋でコトコト炊いた大根は、昆布で煮てあるだけなので、とても薄味だが、ほんのり甘い。久しぶりの固形物を、ゆっくり噛み締めて、胃に運ぶ。途端に、胃がぐるぐると動き出し、久しぶりに消化機能を果たそうとしているのが感じられた。合間に、きゅうりにもろみ味噌をつけて食べると、それはもう感動ものだった。噛むということを3日間全くしなかったので、きゅうりのぽりぽりという感触が、これほど心地よいとは思いもしなかった。本来なら1時間ほどかけて食べるらしいが、ゆっくり食べているつもりなのに、20分ほどで食べ終わってしまったw

その日の夕食は、軽めのトトロ蕎麦にし、私のファスティングは終了した。

 

 

気になる効果はというと、体重は4キロ減った。見た目は特に変わらないが、体感的にとてもスッキリした。特にお腹周りがスッキリしたので、履いていたジーンズが緩くなった。あとは、やり切ったという達成感。そして、回復食に食べた昆布だしの美味しさへの感動は、これまでの自分の味覚はなんだったのかと思うほどだ。

そして、いかに自分が食事を作りすぎていたかということにも、気付かされた。「足りないよりは、余る方がいい。余ったら自分が食べればいい」と、少しでも子供たちの口に入るよう、たくさんおかずを作っていたが、自分が食べられない間、たくさんの食材を無駄にした。その度に、「2度と唐揚げなんて作るもんか」と虚無感を噛み締めながら、おかずを三角コーナーに捨てた。大人にとっても、子供たちにとっても、食事は少し物足りないくらいでいいのだ。一応3食きっちり出しているのだから、餓え死ぬことなどない。日本は飽食すぎるのだ。「もっと食べたい」と言われても「ないものはない」でいい。自分で稼げるようになってから、たらふく食うが良い。

 

 

結論、アラフォー専業主婦でもファスティングはできる。しかし、想像をはるかに超えた、厳しい戦いになる。たった3日程度で心が折れそうだった。だって、主婦は常に食事に携わっているのだ。家族に美味しいものを食べさせようと、頑張って美味しいものを作っているのだ。なのに、作った本人はそれを味わえないなんて、本来ならそんな環境あり得ない。

 

 

正直、ファスティングはもう懲り懲りだ。しかし、たった3日で4キロも減って、しかも腸内がスッキリまっさらな状態になるのは、めちゃくちゃ嬉しいし、気持ちいい。今後も、月に1回程度、不定期にチャレンジしてみてもいいかもしれない。 

3食作ってくれて、残飯処理も洗い物もしてくれて、子供たちのおやつも準備してくれて、スーパーに買い出しに行ってくれて、子供と一緒に公園で遊んでくれる、そんな人がいたら、ファスティングはかなり簡単になると思う。そういうファスティング・ヘルパーみたいな人がいれば、絶対にお願いするのになあ。

 

  

ダスキンのセールスにて

先日、次男と家にいたら、チャイムがなった。いつものように宅急便かなと思ったら、ダスキンの訪問販売員だった。普段なら訪問販売はお断りするのだが、新人研修中と言うことで、ひとまず話を聞いてみることにした。販売活動の一種で、試供品を配っており、もしよければ使ってくださいということで、2種類のモップと換気扇フィルターと浄水器を取り付けて帰って行った。

 

私は訪問販売が苦手で、過去には新聞の勧誘すらうまく断れず、子供新聞をとる羽目になり、3ヶ月ほど月500円無駄に支払い続けたこともあった。なので、強引な営業に対しては、かなり引き気味で接してしまうし、なるべく近づかないほうだ。

しかし、今回迂闊にも訪問販売に対応してしまったのは、昔から私の実家ではダスキンにお世話になっているので、企業イメージがよかったからである。決して、お兄さんが若くて爽やかなイケメンだったからではない。

 

お兄さんは、「水道水の不要なものを取り除いてくれますし、操作も簡単です!」と自信満々に説明してくれた。しかも、目の前で、よくわからない検査キットみたいなものを取り出し、水道水の不純物が取り除かれていることを見せてくれた。心底感心して、「これならレンタルしてもいいかもなあ・・・」と、かなり興味を持った。

換気扇のフィルターは、おまけでつけてくれた。正直、換気扇に関しては、普段から換気扇フィルターを取り付けており、自分で掃除すればいいと思っていたので、そこまで興味がなく、「なんか得したなー」くらいの気持ちだった。一方、私は水道水の不純物を取り除くような魔法など使えないので、やはり文明の力に頼るしかなく、レンタルするなら浄水器の方だな、となんとなく考えていた。

 

 

仕事から帰ってきた夫に、早速話をした。夫はよく水を飲むので、浄水器にかなり関心を持ってくれるだろうと期待して、まるでお兄さんの営業魂が乗り移ったかのように、浄水器推しで話をしていた。ふんふんと一通り話を聞いた夫が、冷静に口を開いた。

 

「なんで浄水器が必要なん?日本の水道水ってかなり厳しい基準で検査されてて、健康には問題がないって言われてるレベルなんやで?どういう理由で、その不純物を取り除く必要があるのか、ダスキンの人は何か言ってた?」

「しかも、トマちゃんは、もともと水道水は絶対飲まないやろ?浄水器を取り付けたからって、水道の水をコップに入れて飲めるの?」

「別に反対はしてないけど、ほんまにいる?浄水器使うくらいなら、俺はペットボトルの水を常備しておくほうがいいと思う。災害の時にも助かるし」

 

そうなのだ、私は水道水が飲めないのだ。たとえ浄水器を通しても、水道から出てくる水が、どうしても飲めない。そして、水道水の不純物を摂取することで、どんな影響があるとかないとか、そんな話まではしなかったなあ。確かに、なんで浄水器が必要なのか、そこまで考えてなかった。ただなんとなく、浄水器があると、美味しい水が飲めるに違いないと思い込んでしまったけど、言われてみればそんなに必要ないかもしれない・・・。夫の言葉で、浄水器に対する熱は一瞬で冷めてしまった。

 

モップはすでに子供たちのおもちゃになっているし、浄水器もいらないとなると、お兄さんには申し訳ないけど、今回は断らないといけないなあ・・・と考えていると、夫が換気扇を指さして言った。

 

「こっちは何?これもダスキンがつけていったの?」

「そうそう。でも、換気扇の掃除は自分でできるし、フィルターも自分で交換するし、これはいらんかなと思ってるねん」

「なんで?性能についてはよくわからんけど、これでトマちゃんの掃除がラクになるなら、こっちの方が絶対にええやん。こっちはレンタルしたら?」

 

自分とは全く違う考え方で、換気扇フィルターを選んだ夫にびっくりしたし、なんだか嬉しかった。私は、自分でできることは自分で、というタイプなので、夫のような考え方は思いもつかなかった。しかし、夫が「妻の負担が軽くなるもの」という基準でモノを選んでくれたことが、最近家事と育児に追われて疲れていた自分の心に、少しだけジーンと沁みた。

 

 

 

夫は根っからの理系男子なので、かなり合理的な考え方をする。一方、私は文系女子なので、常日頃から感覚で生きているし、感情に左右されやすいほうだ。無駄を嫌い、効率を重視する夫を、時々冷たいなあと思うこともある。反対に夫も、物事を決めるときに感情を優先する私を、「合理的に考えればもっと簡単に解決できるのに、めんどくさい」と思っているに違いない。

 

大体の物事において、私の方が夫の合理性に助けられていることの方が、圧倒的に多い。夫の考え方はいつもシンプルで、無駄がなく、答えが簡単だ。いろんなことをいろんな方向から考えすぎて、こんがらがっている私を、「難しく考えすぎちゃう」と一瞬で解いてくれる。しかし、「トマちゃんって、人のことよく見てるね。確かに◯◯なら、そういう考え方すると思う。俺は、他人に興味がないからさ。そこまでは気付かんかったわ」と、合理的ゆえに見落としがちな情緒的な部分を、私がすくい上げることもある。

 

 

価値観が全て同じなら、きっと夫婦喧嘩なんてしなくなるのかな、と思うことがよくある。どんな時も同じ歩幅で、同じ方向に歩んでいけたら、すごくラクだろう。

でも、今日みたいに、その価値観の違いの中に、お互いを思う気持ちが見つけられると、すごく嬉しい。価値観の違いでぶつかった時に、どれだけお互いに譲り合えるか、どれだけお互いに思い合えるか。生まれた場所も、過ごした時間や環境も生き方も全く違う、赤の他人だった2人が一緒になるということは、そういうことの繰り返しだ。価値観の違いを煩わしく思わず、さらに夫婦になれるチャンスだと思おう。

 

ダスキンのお兄さんに、換気扇フィルターを注文するのが待ち遠しい。そして、浄水器を断る理由を話すのも、ちょっと楽しみだ。

 

 

金曜日は◯◯の日

6年ほど前、夫と付き合ってしばらく経った頃、夫の住んでいたアパートのキッチン戸棚を開けると、とんでもない量のレトルトカレーの箱が積み上げられていた。夫の部屋はめちゃくちゃ汚くて、とんでもなく散らかっていたので、よく私がせっせと片付けていたのだが、戸棚の中で几帳面に積み上げられたカレーの箱には、思わず目が点になった。

おそらく、50箱ほどあったと思う。「この箱、何?」と聞いたら、「今まで食べたレトルトカレーの箱」と答えたので、なんでそんなものを捨てずにとっているのか尋ねると、「こんなレトルトカレー食べたんやって、記録に残したいから」と言う。確かに、その辺のスーパーで見かける商品はほとんどなく、少しお値段高めのご当地カレーの箱が多かった。結局、結婚して引っ越すときに、大量の空き箱たちはあっさり捨てられてしまったのだが(私に)・・・。

 

この空き箱の一件で、夫がかなりカレー好きなことを知った。外食の時もカレーを注文することが多かったし、引越し先ではどこでもお気に入りのカレー屋を見つけて、よく食べに行った。夕食にカレーを作ると、「やった!今日はカレーか!」と子供みたいに喜んで、びしゃびしゃになるまでルーをかけて食べ、おかわりまでする。

 

夫が毎回嬉しそうに食べてくれるので、私もカレーを作るのがどんどん楽しくなり、豚骨や鶏ガラでスープを取ったり、いろんなルーを組み合わせたり、カレーに合うお米を探してみたりして、「おうちカレー」を充実させることを情熱を注ぐようになった。

 


そんな私が1年ほど前から作り始めたのが、スパイスカレーだ。

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私は料理がそこまで得意ではないので、フレンチを作れと言われたら絶対無理だし、魚の煮付や煮物などの和食を作っても、味がぼんやりしていまいちな仕上がりになる。味付けを濃くして誤魔化そうとしても、夫は減塩や糖質に厳しいので、「もうちょっと薄味の方がいいよ」と指摘されてしまう。

 

その点、スパイスカレーはコツさえ掴めば、すごく簡単だ。しかも、自分流にアレンジができて、市販のルーを使うよりはるかに脂質・塩分を少なくできる。味付けがスパイスだけなので、少々味が「??」でも「異国のカレーっぽいね」「今日は癖強めだね」と、如何様にも表現できるのがありがたい。

実際、夫は私の作るスパイスカレーにかなりハマっていて、「トマちゃんのカレーを食べたら、もう外で食べる気にならない」と言ってくれるまでになった。これは嫁として、めちゃくちゃ嬉しい。美味しいとか絶品とか、そういう褒め言葉をもらうより嬉しい。

 

もちろん、スパイスカレーを作り始めてまだ1年なので、納得いかない仕上がりになることも多い。「今日は辛すぎる」「一口目のパンチが足りない」「クミンシードの苦味が出てしまった」と、毎回反省することばかりだ。それでも、夫は「美味しいよ」と言って食べてくれる。

何よりも、お腹いっぱい食べても胃もたれしないのがすごい。夫はこの点をかなり評価してくれていて、「今までのカレーも美味しかったけど、いっぱい食べすぎて、翌朝の自分のゲップからもカレー臭がした。やっぱり市販のルーは脂質が多いんやろうな。でも、トマちゃんのスパイスカレーは、いくら食べても胃もたれしないし、逆に胃がスッキリするわ」と、消化の良さを実感しているようだ。

 

スパイスは元々生薬として使われているものが多いため、「カレーは食べる漢方薬」と言われている。クミン、ターメリックコリアンダー、カイエンペッパー、カルダモン、クローブ、シナモン・・・それぞれのスパイスに、さまざまな効能があるが、私が特にお勧めしたいのが、消化促進の作用があるクミンと、便秘を改善させるコリアンダーとカイエンペッパーだ。大体この3つに、抗酸化作用のあるターメリックを足せば、一般的なスパイスカレーができる。私は、生姜を多めに入れて、さらに消化促進・免疫力向上・抗酸化作用を高められるように意識している。

 

こんなふうに、夫の健康を意識しながらカレーを作ることは、私にとっても特別な時間である。我が家では、海軍のように「金曜日はカレーの日」と決めているのだが、カレーを作る時間「夫は今日はどんな顔で食べるだろうか」「ちょっとびっくりするようなカレーにしてみようかな」「前に作ったパプリカ入りのカレー、喜んでたなあ」とか、夫のことを考えながら作っている。どんなに喧嘩をしていても、日々の不満が積もり積もっていても、金曜日のカレーを作る時間に、大抵いつの間にかリセットされていて、「ああ、今週も夫のことを考えながらカレーを作っちゃったなあ」と、一人で苦笑いする。

 

時々ふと思う。もし、私たちが離婚しても、きっと夫は金曜日になるとカレーのことを思い出すだろうし、私もきっとカレーを作るたびに夫のことを想うだろう。私はそれを望んでいるし、そうなるべきだと思っている。別々の人生を歩むことになっても、私のことはなかったことにしないでね。そんな呪いをかけるような気持ちで、私は金曜日にカレーを作る。

 

まさか自分の妻が、離婚後のことまで考えながら、大好物のカレーを作っているとは、夫は思いもしないだろう。 金曜日のカレーは、私がいかに夫のことを好きかを思い知らされる時間で、自分の執拗さに少しゾッとする瞬間でもある。